「採用フレームワークってなんだろう…」と考える方もいるのではないでしょうか?
採用活動にマーケティングの考え方を取り入れても、フレームワークを理解しないと、その効果を実感しにくいです。
自社にマッチする人材を確保するには、適切なフレームワークを取り入れることが重要です。
そこで本記事では、採用フレームワークを活用するメリットと種類、戦略の立て方を紹介します。
本記事を読むと、自社に適したフレームワークがわかり、採用戦略に失敗しにくくなるでしょう。
採用マーケティングで、どのようなフレームワークを活用したらよいかわからない方は、ぜひ最後までお読みください。
なお、株式会社iTechでは、採用活動を成功させるための、Web基盤の構築とマーケティング支援を実施しています。
目次
採用フレームワークとは?
採用フレームワークとは、課題の抽出や分析、解決、意思決定などを実施する際の基礎となる規則を指します。
採用戦略におけるマーケティングの「枠組み」や「骨組み」として用いられます。
フレームワークの軸に沿った採用活動を行うと、効果的な施策や求める人材の認識を企業間で統一することが可能です。
そのため、面接官によって採用する人材がブレません。フレームワークに則ると、企業にとって必要な人材を獲得できます。
採用マーケティングにフレームワークを取り入れるメリット
採用マーケティングにフレームワークを取り入れるメリットを2つ紹介します。
- ・客観的な視点から自社を分析できる
- ・自社にマッチした人材を獲得しやすくなる
フレームワークのメリットを把握すると、採用マーケティングがどのような効果を発揮するのかわかるでしょう。
採用フレームワークを取り入れることを、前向きに検討できるようになります。それぞれ見ていきましょう。
客観的な視点から自社を分析できる
採用にフレームワークの考え方を取り入れると、客観的な視点から自社を分析できます。
市場や求職者、競合他社などの視点から自社を分析するためです。
たとえば、環境分析を行うためのフレームワーク「3C分析」では、自社・顧客・競合の3つの分野を分析します。そうすることで、自社の社会的な強み・弱みを理解できます。
自社の社会的価値を客観的に把握すると、強み・弱みを活かした適切なアプローチを求職者に行うことが可能です。
その結果、求職者が入社前後で自社に抱くイメージの乖離が少なくなり、採用のミスマッチを避けられます。
自社にマッチした人材を獲得しやすくなる
採用にフレームワークを活用すると、自社にマッチした人材を獲得しやすくなります。
求める人材を明確化して、刺さるアプローチを行えるためです。
たとえば、採用に特化したフレームワーク「TMP設計」は、ターゲットを設定して適切なアプローチを行うことで、自社に合った人材の獲得につなげます。
ターゲットに合わせて、自社の魅力を伝えたり、ニーズを満たすアプローチを行ったりすると、求職者の入社意欲を高められるでしょう。
その結果、自社にマッチした人材の応募数の増加が期待できます。
採用マーケティングに活用できるフレームワーク5選
採用マーケティングに活用できるフレームワークを知ると、自社にぴったりな手法を選択できます。ここでは、以下5つのフレームワークを紹介します。
- 1. 5A理論
- 2. 4C分析
- 3. 3C分析
- 4. SWOT分析
- 5. TMP設計
自社にマッチしたフレームワークを活用して、採用活動を成功させましょう。それぞれ順番に解説します。
1. 5A理論
5A理論とは、経済学者のフィリップ・コトラーが提唱した理論です。
顧客が商品・サービスを購入するプロセスを表現するフレームワークです。以下の5つの要素から構成されています。
- 1. Aware(認知)
- 2. Appeal(訴求)
- 3. Ask(調査)
- 4. Act(行動)
- 5. Advocate(奨励)
上記を採用プロセスに置き換えると、求職者が企業を認知し興味をもち、調査して面接を受け、入社する流れに当てはめられます。
フレームワークに沿って、SNSでの自社の認知拡大や、入社意欲を高めて応募に至らせる施策などを行うと、スムーズな採用活動を行えます。
フェーズごとにターゲットのニーズを分析して、適切なアプローチを行いましょう。
2. 4C分析
4C分析は、求職者視点でマーケティング戦略を分析するフレームワークです。
求職者が興味のある企業を、詳しく分析するために用いられます。4C分析では、以下4つの視点に着目します。
- ・Customer Value(求職者にとっての自社の価値)
- ・Cost(求職者の負担)
- ・Convenience(求職者の利便性)
- ・Communication(求職者とのコミュニケーション)
上記のフレームワークを活用すると、求職者目線で採用戦略の分析・検証・改善をすることが可能です。
たとえば、求職者の負担を分析すると、改善するための対策を打つことができ、応募しやすい環境を作れます。
ターゲットの視点に立つことで、採用活動を成功させられるでしょう。
3. 3C分析
3C分析は、市場における自社の立ち位置を見極めるために、用いられるフレームワークです。
以下の3つを軸にして分析します。
- ・Company(自社)
- ・Competition(競合)
- ・Customer(求職者)
求職者のニーズと競合各社のシェア・自社の理念や資本力を分析すると、客観的な強み・弱みを理解できます。
社会的な価値や存在意義がわかれば、ターゲットに自社の魅力を届けることが可能です。
また、ターゲットのニーズに応じた情報発信ができるため、自社にマッチする人材の獲得にも貢献できるでしょう。
対外的・内在的な視点から自社の立ち位置を理解して、必要な人材を獲得するための施策を打ち出してください。
4. SWOT分析
SWOT分析とは、企業や事業の現状を分析するために、用いられるフレームワークです。
自社の内部環境と外部環境を、以下の4つの観点から洗い出して分析します。
- ・Strength(自社の強み)
- ・Weakness(自社の弱み)
- ・Opportunity(外部の機会)
- ・Threat(外部の脅威)
内外の要素を一緒に洗い出すため、世の情勢や周囲の環境が変化しても、自社の強み・弱みを活かした長期的な戦略を立案することが可能です。
採用においては、自社の強み・弱みを把握し、競合他社(脅威)を考慮しながら、優位性をアピールします。
採用市場における競合他社との違いに着目して、ターゲットに強みを訴求すると、求職者は自社を深く理解した上で入社できるでしょう。
5. TMP設計
TMP設計は、採用活動に特化したフレームワークです。
求職者のペルソナを明確化して、企業のよさを知ってもらうためのプロセスを構築するフレームワークです。
以下の手順で実施します。
- 1. Targeting:ターゲットの設定
- 2. Messaging:ターゲットに刺さるメッセージの作成
- 3. Processing:採用プロセスの設計
ターゲットを設定して刺さるメッセージを届けると、入社意欲を向上させられ、求める人材からの応募数を増やせます。
ターゲットとメッセージを設定したら、選考フローを設計しましょう。
選考で適性検査や課題、面接などを実施すると、求める人材のスキルや意欲、性格などを見極めることが可能です。
その結果、採用のミスマッチを防止できます。
フレームワークを用いた採用戦略の立て方の事例
フレームワークを用いた採用戦略の立て方は、以下の順序で行います。
- 1. 自社が求める人物像を明確にする
- 2. どのようなメッセージだと刺さるのかを検討する
- 3. メッセージを届けるためのプロセスを考える
本章では「TMP設計」を参考に、採用戦略の立て方を紹介します。フェーズごとの戦略を把握すると、スムーズで的確な採用活動を実施できます。
1. 自社が求める人物像を明確にする
まずは、自社が求める人物像を明確化する必要があります。ペルソナを設定すると、自社にマッチする人材に向けて効果的な発信を行えるためです。
ペルソナを定めずに情報発信を行うと、自社にマッチしない人材からの応募がくるようになる可能性があります。
その結果、対応に手間がかかったり、採用のミスマッチにつながったりするため、採用コストが高くなりがちです。
ペルソナは、職種や経験、実績などを基準に決めるとよいでしょう。
求める人材の年齢や職種、経験、悩みなどを詳細に書き出すと、より精密なターゲティングが可能になります。
2. どのようなメッセージだと刺さるのかを検討する
ペルソナを定めたらニーズを元に、どのようなメッセージが刺さるのかを検討しましょう。
以下のようなニーズを、ペルソナを元に想定してください。
- ・就職して成し遂げたいこと
- ・会社に対して求めること
- ・会社で取り組みたいこと
たとえば、ペルソナが会社に入社して成し遂げたいことが「前職より年収を100万上げること」ならば、前職を考慮して給料を定めることや、実力次第でキャリアアップできる環境が整っていることをアピールしましょう。
自社の強み・弱みとターゲットのニーズを理解して、刺さるアプローチを実施してください。
3. メッセージを届けるためのプロセスを考える
ターゲットとメッセージを決めたら、情報を伝達するためのプロセスを考えましょう。
ペルソナに応じた発信媒体を利用しているか、自社の理解を深められるプロセスになっているかを意識してください。
求める人材がZ世代ならばSNSを活用するのが効果的です。一方、経験と実績のある人材を求めるならば、電話での引き抜きを考えることもひとつの手段です。
また、ターゲットの入社意欲が向上するのに比例して、アプローチをオンラインからオフラインに変えましょう。
面談やセミナーを実施すると、入社を後押しできますし、人材を見極められます。アプローチから入社までのプロセスを一貫して考えて、採用活動に望みましょう。
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採用マーケティングの強化にはフレームワークの活用が必要
採用マーケティングを強化するには、フレームワークの活用が必須です。フレームワークを用いると、採用活動の枠組みを作れます。
企業間で採用における考えを統一できるため、面接官による採用基準のブレをなくすことが可能です。
ただし、採用フレームワークを実施するには、ターゲットに対する適切なアプローチと自社の窓口となるWebサイトが必要です。
Webサイトがないと、ターゲットが自社の事業や働き方を把握するのが難しくなるでしょう。
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