目次
はじめに
「レンタルサーバーを使ってみたいけど、いきなり有料はちょっと…」そんな風に思っている方も多いのではないでしょうか。
実際に複数の無料レンタルサーバーを試してみると、思わぬ落とし穴があったり、逆に「これが無料で使えるの?」と驚くほど高機能なサービスもあったりします。
この記事では、実際の使用体験をもとに、本当に使える無料レンタルサーバー5選と、失敗しない選び方のコツをご紹介します。無料だからといって妥協する必要はありません。しっかりと選べば、十分実用的なサーバーが見つかりますよ。
無料レンタルサーバーで失敗しないための3つのポイント

無料サーバー選びで後悔しないために、まず押さえておきたい重要なポイントを3つお伝えします。
広告表示の位置と影響を確認する
多くの無料サーバーでは、運営費をまかなうために広告が自動表示されます。ただし、その表示方法はサービスによって大きく異なります。
実際に使ってみると、ヘッダー部分に大きく表示される広告は想像以上に目立ち、せっかく作ったサイトの印象を損ねてしまうことがあります。一方で、フッター部分の小さな広告であれば、それほど気にならないケースも多いです。
広告なしで使えるプランがあるサーバーもありますので、見た目を重視する場合は事前にチェックしておきましょう。
容量制限と実際の使用感の違いを理解する
スペック表では「10GB」と書いてあっても、実際に使ってみると、システムファイルや一時ファイルで思った以上に容量を消費していることがあります。
特にWordPressを使う場合、プラグインやテーマ、画像ファイルなどで容量はどんどん増えていきます。余裕を持って、実際に使えるのはスペック表の7〜8割程度と考えておくのが現実的です。
サポート体制の有無を事前にチェックする
無料サーバーの多くはサポート体制が限定的です。公式マニュアルやFAQのみで、個別の問い合わせには対応していないサービスも少なくありません。
初心者の方は特に、最初の設定でつまずく可能性があります。事前にマニュアルの充実度や、ユーザーコミュニティの活発さを確認しておくと安心です。
本当に使える無料レンタルサーバー5選【2025年最新】
実際に使ってみて「これは使える」と感じたサービスを5つご紹介します。それぞれに特徴があるので、用途に合わせて選んでみてください。
1. XREA Free(エクスリアフリー)- 高機能で本格仕様

おすすめ度:★★★★☆
GMOデジロックが提供するXREA Freeは、無料サーバーの中でも特に高性能なサービスです。
主な特徴
- 高性能サーバー(CPU64コア、メモリ1TB)
- PHP、MySQL、PostgreSQL対応
- 独自ドメイン設定可能
- 容量:10GB
実際に使ってみると、スペックの高さに驚きます。PythonやRubyなど、他の無料サーバーでは使えないプログラミング言語にも対応しているため、開発用途にも向いています。
ただし、広告が自動挿入される点と、設定がやや複雑な点がデメリット。Web制作に慣れた方におすすめのサーバーです。
2. シンフリーサーバー – WordPressに最適化

おすすめ度:★★★★☆
エックスサーバー株式会社が提供するWordPress専用の無料サーバーです。
主な特徴
- WordPress自動インストール機能
- 広告表示なし
- 独自ドメイン10個まで設定可能
- 容量:10GB
- ※現在は他社サーバーからの移転のみ受付
WordPress初心者にとって嬉しいのが、面倒な設定を自動でやってくれる点です。通常であれば、データベースの作成からWordPressのダウンロード、アップロードまで複数の手順が必要ですが、シンフリーサーバーなら数クリックでWordPressサイトが立ち上がります。
ただし、現在は新規申し込みを停止し、他社サーバーからの移転のみ受け付けています。また、サポートは提供されていないため、ある程度の知識は必要になります。
3. tadaサーバー – 2024年登場の新サービス

おすすめ度:★★★★☆
カラフルボックスが2024年2月に開始した、注目の新しい無料サーバーです。
主な特徴
- 広告表示なし
- WordPress簡単インストール
- 無料SSL対応
- 容量:10GB
新しいサービスだけあって、他社の良いところを取り入れた仕様になっています。広告が表示されないのに機能制限が少ないのは驚きです。
まだ運営歴が短いため長期的な安定性は未知数ですが、現時点では非常に使いやすいサーバーです。
4. スタードメイン無料サーバー – 独自ドメインセット
おすすめ度:★★★☆☆
スタードメインでドメインを取得すると無料で使えるサーバーです。
主な特徴
- 独自ドメインとセット利用
- 広告表示なし
- WordPress対応
- 容量:3GB
ドメイン代だけでサーバーも使えるのは魅力的です。ただし、スタードメインでドメインを取得することが前提なので、他社でドメインを管理している場合は利用できません。
個人サイトや小規模なコーポレートサイトなら十分な容量です。
5. スターレンタルサーバー – フリープラン
おすすめ度:★★☆☆☆
ネットオウルが提供する無料レンタルサーバーです。
主な特徴
- 基本プランは広告表示なし
- 独自ドメイン対応
- 容量:3GB
- 電話・メールサポートなし
基本のフリープランでは広告の自動挿入がないのが最大の魅力です。ただし、PHPやMySQLといった動的サイト機能は使えません。
静的なHTMLサイト専用と考えた方が良いでしょう。
用途別おすすめサーバーの選び方
どのサーバーを選ぶかは、作りたいサイトの種類によって変わります。
HTMLサイト制作なら
おすすめ:スターレンタルサーバー(フリープラン)
HTMLとCSSだけでサイトを作る場合は、スターレンタルサーバーのフリープランが最適です。広告が一切表示されず、シンプルなサイトには十分な機能を備えています。
WordPressブログなら
おすすめ:シンフリーサーバー(移転限定)またはXREA Free
WordPressでブログを始めたい方で、他社サーバーからの移転であればシンフリーサーバーがおすすめです。面倒な初期設定を自動化してくれるため、記事の執筆にすぐ集中できます。
新規の方は、XREA FreeやtadaサーバーでWordPressを始めることをおすすめします。
お試し・学習目的なら
おすすめ:XREA Free
Web制作の学習や、色々な機能を試してみたい場合は、XREA Freeの高機能さが活用できます。PythonやRubyなど、将来的に使いたい技術の練習にも適しています。
無料サーバーのメリット・デメリット【実体験ベース】
実際に無料サーバーを使ってみて感じた、リアルなメリット・デメリットをお伝えします。
実際に使って感じたメリット
気軽に始められる 何といってもこれが最大のメリットです。「とりあえずサイトを作ってみたい」という時に、金銭的なプレッシャーなしでスタートできます。
有料サーバーの前段階として最適 管理画面の操作に慣れたり、WordPressの基本的な使い方を覚えるのに最適です。いきなり有料サーバーで始めて、使い方が分からずに月額料金だけ払い続けるリスクを避けられます。
思った以上に高機能 最近の無料サーバーは予想以上に機能が充実しています。個人の趣味サイトや小規模なビジネスサイトなら、十分実用的です。
予想以上に困ったデメリット
表示速度の問題 これは使ってみて初めて気づいたのですが、アクセスが集中する時間帯は明らかに表示速度が遅くなります。特に夜間や週末は顕著です。
突然のサービス終了リスク 実際に2025年にはXFREE(エックスフリー)とスターサーバーフリーが相次いでサービス終了しました。無料サービスは採算が合わなくなると、予告はあるものの終了する可能性があることを実感しました。
長期間サイトを運営する予定なら、この点は特に注意が必要です。
サポートの限界 マニュアルだけでは解決できない問題が発生した時、個別のサポートが受けられないのは想像以上に困ります。特に初心者の方は、この点を覚悟しておく必要があります。
有料サーバーとの決定的な違い
最も大きな違いは「安定性」です。有料サーバーは契約者から料金をもらっているため、サービス品質を維持する責任があります。一方、無料サーバーはあくまで「無料で提供してもらっている」サービスなので、品質に不満があっても文句は言えません。
無料から有料への移行タイミングと方法
無料サーバーから有料サーバーへの移行について、実体験を踏まえてアドバイスします。
移行を検討すべき3つのサイン
アクセス数が安定して増えてきた 月間10,000PV程度のアクセスがあるようになったら、表示速度やサーバーの安定性を重視した方が良いでしょう。
収益化を始めたい アフィリエイトやGoogleアドセンスでの収益化を考えているなら、早めの移行がおすすめです。無料サーバーの制約で機会損失する可能性があります。
複数サイトを運営したい 本格的にWeb制作に取り組むなら、複数ドメインが使える有料サーバーの方が効率的です。
スムーズな移行のための準備
移行作業自体は複雑ですが、事前準備をしっかりしておけばトラブルを最小限に抑えられます。
まず、現在のサイトの完全バックアップを取りましょう。WordPress なら、プラグインを使って簡単にバックアップできます。次に、新しいサーバーでの動作確認を十分に行ってから、DNS設定を変更します。
おすすめの移行先サーバー
無料サーバーから移行する場合、月額1,000円程度の安定したサーバーがおすすめです。エックスサーバー、ConoHa WING、ロリポップなどが人気です。
XREA Freeを使っていた場合は、同じGMO系列のコアサーバーに移行すれば操作感が似ているためスムーズです。シンフリーサーバーから移行する場合も、エックスサーバー系列への移行がおすすめです。
まとめ – 失敗しない無料サーバー選びのコツ
無料レンタルサーバーは「完全に無料でWebサイトを運営したい」という方にとって魅力的な選択肢です。ただし、有料サーバーと同じレベルを期待すると失敗します。
重要なのは、自分の目的と無料サーバーの制約を理解した上で選ぶことです。お試しや学習目的なら十分すぎるほどの機能がありますし、小規模なサイトなら長期間使い続けることも可能です。一方で、本格的なビジネス利用や大量のアクセスを見込むサイトでは、早めに有料サーバーへの移行を検討した方が良いでしょう。今回紹介した5つのサービスは、どれも実際に使って問題なく動作することを確認済みです。まずは気になったものから試してみて、Webサイト制作の第一歩を踏み出してみてください。