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採用のミスマッチの原因と対策!求める人材を獲得する手法を紹介

採用のミスマッチの原因と対策

採用のミスマッチの原因と対策!求める人材を獲得する手法を紹介

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採用のミスマッチを防ぐには、その原因を把握して対策することが重要です。しかし、その具体的な対策方法がわからない方も多いでしょう。そこで本記事では、採用のミスマッチの原因と対策を紹介します。この記事を読むと、求める人材からの応募を増やし、長く働いてもらう方法がわかります。

採用のミスマッチが発生する割合

採用のミスマッチが発生する割合

厚生労働省が平成26年に発表した「雇用を取り巻く環境と諸課題について」によると、15〜44歳では「仕事内容が合わない」、45〜65歳以上の層では「年齢が合わない」という理由で採用のミスマッチが発生し、仕事に付けないでいます。

年齢ごとの採用のミスマッチの割合は以下の通りです。

厚生労働省|雇用を取り巻く環境と諸課題について。採用のミスマッチの割合
出典:厚生労働省|雇用を取り巻く環境と諸課題について

また、採用のミスマッチの割合を求めるには、離職率を把握することも重要です。厚生労働省の「-令和4年雇用動向調査結果の概況- 」を確認すると、令和4年度の離職率は平均15%でした。男性が13.3%、女性が16.9%です。100人の新入社員が入社したら15人が離職をしていることになります。

出典:厚生労働省|-令和4年雇用動向調査結果の概況- 入職率と離職率の比較
出典:厚生労働省|-令和4年雇用動向調査結果の概況- 

さらに、厚生労働省が発表した令和2年3月度の学卒就職者の入社3年以内の離職率のデータによると、以下のような割合でミスマッチが発生しています。

  • 中卒:52.9%
  • 高卒:37%
  • 短期大卒:42.6%
  • 大卒:32.3%

参考:厚生労働省|新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します

少なくとも新卒採用の約3割が、採用のミスマッチにより入社後3年以内に離職していることがわかります。

採用のミスマッチの原因5つ

採用のミスマッチの原因5つ

採用のミスマッチの原因がわかると、その対策を講じられ、離職率を低下させられます。本章を読んで、採用のミスマッチの原因となることをしていないかを把握しましょう。

採用のミスマッチの原因①:自社の弱みを公開していない

採用のミスマッチの原因のひとつは、求人広告に自社の弱みを公開していないことです。自社の弱みを公開していないと、入社後のギャップが生じるためです。

求人広告では給料や残業時間などの弱みが伏せられているケースが稀にあります。求職者は面接で給料や残業時間などをなかなか聞けないものです。就職活動がうまくいっていない方だと、早く転職先を見つけないといけない焦りから、給料や残業時間などを聞かずに内定を承諾してしまうケースもあります。

その結果、内定者は「思っていたより給料が低かった…」と考えるようになり、内定辞退や早期離職につながるのです。採用のミスマッチを防ぐには、企業の弱みも理解してもらった上で、入社してもらう必要があります。採用活動の妨げになるからと弱みを隠すのではなく、それをカバーする強みも伝えるとよいでしょう。

採用のミスマッチの原因②:募集要項と事実が異なる

求人広告の募集要項と事実が異なると、採用のミスマッチにつながるのは必然です。求職者のやりたい仕事ができないためです。厚生労働省によると、採用のミスマッチは「希望する職種・仕事がない」という理由で発生しています。

求職者と企業の意向が一致して採用に至っても、募集要項が事実と異なり、希望する仕事ができないとミスマッチになります。その結果、働き続けてもらうことはおろか、内定の承諾すらしてもらえなくなるでしょう。

また、応募者を集めるために変更ありきで募集要項を好条件にして、採用後に不利な条件に変更する行為は、職業安定法第65条8号に違反します。同法律に違反すると6ヶ月以下の懲役、または10万円以下の罰金に処される恐れがあります。上記のようなデメリットがあるため、虚偽の募集要項を求人広告に掲載するのはやめましょう。

採用のミスマッチの原因③:求める人材を明確にできていない

企業が求める人材を明確にできていないと、採用のミスマッチにつながります。企業が求めるスキルや働き方が、求職者と合わなくなるためです。

たとえば、企業が不動産の営業職を採用したいのに、心意気だけを買って、コミュニケーション能力が乏しい方を採用しても活躍できない恐れがあります。その結果、その社員は成果を出すことができず、職場にいづらくなり、離職する可能性があります。

採用で失敗しないためには、求める人材のペルソナを明確にすることが重要です。採用したい人物像がわかると、刺さるアプローチができたり、面接で相手の人物像を見抜く質問をしたりできます。

採用のミスマッチの原因④:社員の要望を叶えられない

業務を通して社員の要望を叶えられないと、採用のミスマッチにつながります。求職者は何らかの目的があって、就職活動をしているためです。

たとえば、令和5年に厚生労働省が調査した「転職者の前職の離職理由」によると、男性は「会社の将来に不安を感じたから(31%)」、女性は「労働条件(賃金以外)がよくなかったから(27%)」と回答した方が多かったです。

このことから、転職希望者は「将来性のある事業を行っている会社」や「柔軟な働き方を選択できる会社」などに就職して、「安定した生活」を叶えたい要望があると考えられます。上記のような要望を叶えられないのに、求職者を採用してもミスマッチにつながります。

上記はあくまで一例であり、仕事を通して何を望むかは、人によって異なります。カジュアル面談を行って、求職者が自社に入社して何がしたいのかをヒアリングしましょう。

採用のミスマッチの原因⑤:入社後のフォローアップがない

入社後のフォローアップがないことも、採用のミスマッチの原因になります。周囲のサポートが不足していると、新入社員は仕事のやり方がわからず、実力を発揮できないためです。

また、周囲のフォローアップがないと、職場の人間関係が希薄になる可能性があり、周囲に馴染みにくくなります。職場に馴染めないと、わからないことを質問しづらくなるでしょう。新入社員にメンターを付けたり、バディ制度を導入したりして、わからないことを聞きやすい環境を構築してあげましょう。

採用のミスマッチを防ぐ具体的な対策

採用のミスマッチを防ぐ具体的な対策

採用のミスマッチを防ぐ具体的な対策を紹介します。ここでは自社の認知拡大から新入社員をフォローアップする方法までを順序立てて解説します。

採用のミスマッチの対策①:まずは認知拡大のためにWebメディアやSNSを開設する

まずは自社の認知を拡大させるために、WebメディアやSNSを開設しましょう。採用のミスマッチを防ぐには、自社を認知していない潜在層まで情報を届けて、応募者を増やすことが重要だからです。

たとえば、応募者が10人しかいないと妥協して内定者を選ぶ必要があるかもしれません。しかし、応募者が多ければ篩(ふるい)にかけて、より自社にマッチした人材を厳選できるでしょう。

POINT💡
Webメディアを運営して、検索結果ページの上位に記事を表示させられると、流入を獲得でき、自社の認知を拡大できます。また、読者の悩みを解決するような記事を作成すると、ファン化につながります。Webメディアで採用案内を出したときに、応募者となってくれるケースがあるでしょう。

SNSだと、XやTikTok、Facebookなどを活用するのがおすすめです。発信力と拡散力が優れているため、自社を認知していないユーザーに情報が届きやすいです。ただし、SNSによってユーザーの年齢層が異なります。Xは10〜20代、TikTokは10代、Facebookは30〜40代がメインのユーザー層です。求める人材に応じてSNSを使い分けましょう。

採用のミスマッチの対策②:ペルソナを明確にして情報発信を行う

WebメディアやSNSを開設したら、ペルソナを明確にして情報発信を行う必要があります。ペルソナ設計は以下のように行います。

ペルソナ設計の事例

この事例だと、給料の高さで仕事を選んだり、収入の一部を投資に回したりする方をペルソナとして定めているため「とにかく給料を高めて優雅な生活を送りたい」と考えている可能性があります。

上記のような価値観があるのに「残業時間は月10時間まで!」「ノルマがありません」のような発信をしてもウケないでしょう。

ペルソナの価値観が「とにかく給料を高めて優雅な生活を送りたい」ならば「インセンティブ制度を導入していること」や「実力次第でどんどん昇格できること」などを発信するべきです。また、ここまでペルソナが明確ならば「自社は〇〇が弱いから、〇〇が得意な人材がほしい」といった発信をして、直接的に求職者を募集することもできます。

採用のミスマッチの対策③:ナーチャリングにより入社意欲を高めてもらう

ユーザーに対してナーチャリングを行って、自社への入社意欲を高める必要があります。ナーチャリングとは、顧客(求職者)を育成して、商品・サービスの購入(応募)につなげる施策を指します。ナーチャリングの具体的な手法としては「ステップ配信」が効果的です。

POINT💡
ステップ配信とは、ユーザーの特定のアクションに沿って、事前に用意しているメッセージを配信する手法です。ユーザーのアクションが起点となるため、メッセージを見てくれる可能性が高くなります。ニーズに合わせて求める情報を与えることで、自社への関心を高めます。

ステップ配信を行うツールとしては「Lステップ」がおすすめです。WebメディアやSNSからLステップの登録を促しましょう。採用活動におけるLステップの使い方については、コチラで詳しく解説しています。

採用のミスマッチの対策④:適性検査を実施して能力や性格を確かめる

応募者に対して適性検査を実施して、能力や価値観、性格などが自社にマッチしているかを確かめる必要があります。自社の理念やビジョンに共感してくれる応募者が集まっても、スキルや能力、性格がマッチするとは限りません。

そのため適性検査を行って、自社で活躍できるか、職場に馴染めるかなどを精査します。適性検査には、大きくわけて「能力検査」と「性格検査」の2種類があります。

POINT💡
◾️能力検査とは
知的能力を測るテストです。言語能力や計算能力、思考力などを測定します。仕事において必要となる複雑な情報をまとめる能力や、課題を改善していく能力などがあるかを判断することが可能です。

◾️性格検査とは
性格や職務・組織に対する適応能力などを測るテストです。パーソナリティを把握し、仕事の価値観や向いている仕事、組織として活動できるかなどを測定します。仲間とコミュニケーションが取れるか、自社の風土にマッチするかなどを判断できます。

適性検査で「70%以上を獲得したら通過」のように一定の基準を設けて、どのような応募者を採用すべきか判断しましょう。

採用のミスマッチの対策⑤:カジュアル面談を行って自社で働けるかを見極める

次にカジュアル面談を行い、応募者が自社で働けるかを見極めましょう。採用時の面接では、応募者が自社で叶えたい目標や生活、働き方をヒアリングしてください。応募者は何か目的があって自社を志望しているためです。応募者の要望を叶えられるならば、採用してもミスマッチが起きにくいです。

たとえば、以下の質問をするとよいでしょう。

  • 自社への志望動機
  • 自社でやりたいこと
  • どのような生活がしたいか

仕事における目標や理想的な生活が、自社に入社することで叶えられるならば採用してもよいでしょう。しかし、それらが叶えられないならば採用しても、早期離職につながる可能性があります。

採用のミスマッチの対策⑥:入社後に入念なフォローアップを行う

入社後には社員が気持ちよく働けるように、フォローアップすることが重要です。優秀な人材が入社しても、会社のサポートがないと本来の実力が発揮できず、離職につながる可能性があります。そのため「メンター制度」や「バディ制度」を設けて、新入社員をサポートしていきましょう。

POINT💡
◾️メンター制度とは
先輩社員が新入社員に対して定期的な面談を行い、不安や悩みを解決しサポートをする育成方法

◾️バディ制度とは
新入社員が業務や職場の雰囲気に慣れるまで、先輩社員がマンツーマンで面倒を見る制度

メンターやバディとなる先輩社員は、入社3〜5年目の社員を選びましょう。新入社員と年齢が近いため、双方がコミュニケーションを取りやすいです。フォローアップを行って、新入社員が職場に馴染みやすい雰囲気を作ったり、業務で活躍できるようサポートしたりすると、定着率の向上につながります。

採用のミスマッチの原因と対策|まとめ

本記事では採用のミスマッチの原因と、その具体的な対策を紹介しました。採用のミスマッチを防ぐには、採用活動だけに尽力するのではなく、普段から自社の認知を拡大し、より多くの求職者に自社の魅力を届けることが重要です。その上で、適性検査やカジュアル面談、フォローアップなどを実施して、ミスマッチが起きないようにしましょう。本記事が採用活動でお役立てできれば幸いです。


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